セルシード、再生医療向け細胞シートで「他家培養」の実用化に本腰

セルシード、再生医療向け細胞シートで「他家培養」の実用化に本腰

出所:2013-12-17 朝日新聞

セルシードは再生医療向けに開発中の細胞シート(膜状に培養した細胞加工品)で、患者本人以外の細胞を原料として使う「他家培養」の実用化に本腰を入れる。共同研究先の東海大学が軟骨の細胞シートで開発した他家培養技術を生かし、2016年の臨床研究入りを目指す。細胞シートを低コストで安定供給する仕組みを整えるのが狙い。ただ他家培養には原料となる細胞をどう確保するかという課題があり、細胞の安定調達に向けた制度整備が急がれる。

 

セルシードは従来、患者本人の細胞から作製する細胞シートを、軟骨や角膜上皮などの再生医療用に開発してきた。このうち軟骨再生用の細胞シートの共同研究を手がけている東海大学が、第三者の細胞を培養加工して移植治療に用いるための基盤技術を確立済み。

先ごろ成立した「医薬品医療機器法」に基づいて厚生労働省が、再生医療用の細胞製品に関する安全基準や品質基準をまとめるのをにらみ、臨床開発の準備を急ぐ。事業化に向け、原料の細胞をストックして素早く培養・加工できる仕組みを構築。東京女子医科大学などと共同開発中の自動培養システムとも組み合わせて量産体制を整える。

患者本人の細胞を培養加工する「自家培養」だと、原料となる細胞のストックや細胞シートそのものの作り置きができないため供給までに時間がかかるほか、患者ごとの個別生産になることから加工コストもかさむ。他家培養品ならこうした不便を解消でき、再生医療の普及に弾みが付く。

ただ、国内で採取された細胞は商業目的で売買できないため、細胞をどう調達するかが課題となる。関係業界には手術で摘出された余剰組織の使用解禁などを求める声があり、国の対応が急がれる。同社は将来、iPS細胞(万能細胞)由来の細胞を使うことも視野に入れて、他家培養の実用化を急ぐ考えだ。

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