『日本消化器学会 シンポジウム10. 再生医学研究の現状と展望(2013/10/09、@品川)』

 

①脂肪組織由来間質細胞を用いた肝硬変に対する研究(金沢大)

【背景】現在の肝硬変治療の根治的治療法は肝移植のみだが実施数は少ない。

脂肪組織の間質細胞には、骨や軟骨、リンパ系、循環器系など多様に分化できる間質系幹細胞が豊富に含まれている

そこで、脂肪組織から分離した間質細胞を、肝硬変マウスに投与し有用性を検討した研究

 

<間質細胞>

臓器固有の機能をつかさどるのが実質。実質の隙間を埋めているのが間質。

間質を構成する細胞は繊維芽細胞や免疫細胞など多様で、まとめて間質細胞と呼ぶ。

 

②肝細胞/繊維芽細胞の複合シートを用いた研究(長崎大)

【背景】肝細胞のみを移植するとうまく生着しない。

そこで繊維芽細胞と肝細胞を一緒に培養して2層にした細胞シートをマウスに移植し、肝細胞が効率よく生着するかどうかを検討した研究

 ・線維芽細胞が分泌する増殖因子などが、肝細胞の生着を促すのかもしれない。

 

<繊維芽細胞>

他の組織同士をつなぎあわせる役目の結合組織に散在している。

働きは様々で、例えば皮膚がが傷ついたときにはコラーゲン産出など創傷治癒に関与。

 

③脱細胞化骨格を用いた再生医療(慶応大学)

【背景】現在臓器移植が実施されているような臓器は構造や機能が複雑であるため、構築が難しい。

脱細胞化骨格を細胞生着の足場(scaffold)として利用することは新たな技術基盤となりうる

ブタ肝臓、膵臓、小腸骨格を用いた研究

※脱細胞化骨格は、シュークリームからクリームを吸い出したシューみたいなもの?

 
④肝前駆細胞の効率的な分化誘導に関する研究(奈良医大)

【背景】再生医療には効率的な分化誘導が重要

肝前駆細胞が幹細胞、胆管上皮細胞に誘導する際に、METとEGFRが独立して関与している

両者のシグナル伝達の解析研究。シグナルをうまく調整することで効率的な分化が促せる

 

⑤iPS細胞が選択的に死滅する培地に関する研究(国立下志津病院)

【背景】iPS細胞を肝細胞に分化させて移植に用いる際、未分化のiPS細胞をきれいに取り除く必要がある。

iPS細胞が死滅し、肝細胞のみが生着する培地条件に関する研究

 

⑥細胞シートを用いた再生医療(東京女子医大)

【背景】食道がんのESD(食道粘膜を切りはがす手術)後、潰瘍が発生し狭窄することがある。

狭窄対策として、ESD後の潰瘍部分に細胞シートを移植し、有用性を検討

すでに臨床試験で実施

長崎大から患者の口腔粘膜を東京女子医に空輸、東京女子医で作製したシートを長崎大に空輸

 

⑦小腸再生伸長術に関する研究(山口大)

【背景】短腸症候群は治療法が限られている。

再生組織を用いて小腸を伸長させる研究。根本的な治療法となる可能性

<短腸症候群>

クローン病など、小腸の広範切除を行った患者にみられる吸収不良。栄養欠乏やQOL低下をまねく。

 

⑧肛門機能再生に関する研究(香川大)

【背景】直腸がんなどにおいて、肛門機能を残せるようになってきたものの十分に機能していないケースがある。

再生医療・移植医療によって肛門機能再建を目指す基礎研究

 

⑨(時間の都合上、聴講できず・・)

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