再生医療、県が拠点構想 年度内策定

再生医療、県が拠点構想 年度内策定

県商工労働部は、体内の組織に応じた細胞に分化する幹細胞(間葉系幹細胞)を使う細胞医療産業の企業誘致、集積に乗り出す。琉球大学医学部などと連携し、本年度内に細胞医療産業の拠点化に向けた構想を策定。同医学部に臨床研究を担う「再生医療・細胞治療センター」(仮称)の設置も進め、企業誘致の呼び水にする。沖縄発で先端医療分野の産業化に取り組み、細胞治療製品の開発・販売、雇用創出、医療ツーリズムの推進などにつなげたい考えだ。

県の先端医療産業開発拠点形成事業で、期間は2013~15年度まで。9月補正予算で約8千万円を計上した。沖縄科学技術振興センターが構想策定を手掛け、琉球大学医学部が再生医療・細胞治療センターなど、企業との研究基盤づくりを担う。県によると、産学官が連携し、本格的な間葉系幹細胞の研究に取り組むのは全国的にも例がないという。

幹細胞は各組織に応じた細胞に分化することから、再生医療分野での活用が期待されている。今回研究を進める間葉系幹細胞は、もともと人体に存在。同じく幹細胞のiPS細胞(人工多能性幹細胞)などに比べ、遺伝子導入など特殊な操作が要らず、体内の組織を増殖させるため、安全性で優れている。

間葉系幹細胞は脂肪や骨髄などから抽出。増殖させた細胞を疾患のある臓器などに投入することで再生効果が期待され、脳梗塞や肝臓疾患、糖尿病などで改善例もある。ただ、治験が少ないため、最適な治療法が確立されておらず、課題となっていた。

琉球大学内に設置予定の再生医療・細胞治療センターは、専任スタッフが企業との共同研究に取り組むほか、県内の医療機関とネットワークを構築し、臨床試験によるデータ蓄積・検証に取り組む。研究拠点の整備によって試薬や容器、増殖用の培地、細胞製造・評価など各メーカーが集積。実際に製品化が可能になれば、細胞製造工場や販売会社の進出も見込めるとしている。

県商工労働部ものづくり振興課では、研究成果を踏まえた製品の実用化までに数年を見込んでいる。「再生医療分野の拠点となれば、経済的な波及効果は大きい。県民の健康・長寿にも寄与できる」としている。

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