再生医療の産業化へ議論スタート 秋めどに安全基準たたき台

再生医療の産業化へ議論スタート 秋めどに安全基準たたき台

2013-07-11 SankeiBiz

政府は10日、iPS細胞(人工多能性幹細胞)などを使う再生医療の産業化に向けた検討会議を始動させた。再生医療産業の育成は安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の第3の矢になる成長戦略の柱の一つで、会議では関連製品の安全を確保するルールを作成する。iPS細胞を発明した山中伸弥京都大教授がノーベル医学・生理学賞を受賞して注目された再生医療を日本発の医療産業として飛躍させ、日本経済復活につなげられるかに、大きな期待がかかる。

会議は「再生医療等基準検討委員会」の名称で、経済産業、厚生労働、文部科学の3省の担当者や有識者で構成。座長には、岡野光夫・東京女子医科大教授が就任した。

この日の会議では、企業が再生医療に使う細胞を加工する際、製造施設に求められる衛生状態の基準などが必要との意見が出た。発展途上の再生医療の産業化には、安全性や品質の向上が欠かせないためで、会議では今秋をめどに再生医療製品の加工施設に関する安全・品質基準のたたき台をまとめる方針。日本メーカーによる製品の海外展開を進めるため、国際基準化もにらんで検討を進める。

経産省の宮川正・製造産業局長は「再生医療は、産業として大きな可能性がある。政府の成長戦略でも重点分野として位置づけられ、必要なルール作りなどに取り組む」と述べた。

政府が先月14日に閣議決定した成長戦略「日本再興戦略」は、再生医療を含む医療産業の育成が目玉で、国内の市場規模を現在の16兆円から2020年に26兆円まで拡大する目標を掲げた。先端医療研究の司令塔として米国立衛生研究所(NIH)を手本に「日本版NIH」を創設することも打ち出した。

経産省は再生医療の市場規模について50年に国内が3兆8000億円、世界全体では53兆円に達すると予測している。再生医療製品の実用化は欧米や韓国が先行し、日本は出遅れている。日本が研究で先行するiPS細胞の実用化はこれからだが、米国が猛追している。再生医療産業を日本経済の牽引(けんいん)役に育てられるかは、産官学一体の取り組みがかぎを握る。

■再生医療の産業化に向けた主な論点

・細胞を培養する施設の衛生状態に関する基準

・培養した細胞の品質評価や選別方法

・他人の細胞と取り違えないようにする保管方法・細胞を傷つけないようにする運搬方法

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