再生医療産業 巻き返し、iPS製品化新ルール

再生医療産業 巻き返し、iPS製品化新ルール

2013-05-29

欧米・韓国がリード

政府は「再生医療」の産業化に向けた支援体制を整える。iPS細胞(人工多能性幹細胞)などを使った再生医療製品について、医療機関による臨床研究と再生医療メーカーが行う治験の新しい共通ルール作りに乗り出す。

 

 背景には、技術では引けを取らない海外勢に、製品化で大きく後れを取っている現状への危機感がある。急成長が見込める分野で、日本企業をどこまで支援できるかが焦点になる。

 

日本の再生医療は、iPS細胞などの研究では世界最先端を走るが、再生医療製品の実用化では欧米や韓国に引き離されている。経済産業省によると、昨年末時点で日本が製品化したのは愛知県のメーカーによる皮膚と軟骨の2品目にとどまる。これに対して欧州は20品目、韓国は14品目、米国は9品目と大差をつけられている。

 

日本メーカーによる製品化に遅れが目立つのは、欧米などに比べ、製品の安全性などを確かめる「治験」に膨大な時間とお金がかかるためとされる。医療機関による臨床研究データの活用も欧米では一般的だが、日本では認められない。日本国内では開発に費用や時間がかかるとの理由で、海外で製品開発を進める日本メーカーも出始めており、技術力を持つ企業の国外流出を懸念する声も強まっている。

 

こうした状況を打破するため、政府は今月24日に閣議決定した薬事法改正案で、再生医療製品の承認についての審査手続きを簡素化した。産業育成の「第2弾」として、新たなルールを整備して医療機関の臨床研究データを治験に使えるようにする。

 

新ルールでは、細胞の培養・加工に使うことができる機器の性能などの条件も示す見込みだ。細胞を培養する機器や加工設備を製造する医療機器メーカーにとっても製品開発を進めやすくなる。政府は関連機器の分野でのシェア(市場占有率)拡大にもつなげたい考えだ。(小林泰明)

 

2013年5月29日 読売新聞

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