「クローン病」と「急性移植片対宿主病」 子宮羊膜の幹細胞で再生医療の臨床試験開始

クローン病は、国内に約4万人の患者がおり、口から肛門までの全消化管に炎症性潰瘍の病変ができ、根治療法が確立されていない難病だ。急性移植片対宿主病(GVHD)は、臓器移植に伴う合併症の一つで、急性リンパ性白血病の治療時に、造血幹細胞を移植した際に約3割の患者が発症すると言われており、現在国内に1,200人ほどの患者がいるとされている。GVHDは、移植された骨髄中のリンパ球が患者の身体を異物として認識し、免疫学的に攻撃して起きると考えられており、再生医療による根治療法が期待されている。どちらの疾病も希少疾患の難病に指定されており、慢性に寛解と再燃を繰り返し、継続的な治療が必要である。

子宮羊膜の幹細胞、再生医療に利用 北大などが治験

北海道大学と兵庫医科大学の研究チームは、子宮で胎児を包む羊膜から取り出した幹細胞を使う再生医療の臨床試験(治験)を11月にも始める。大腸などに慢性の炎症や潰瘍が起こる難病の「クローン病」と、造血幹細胞移植後の「急性移植片対宿主病(GVHD)」と呼ぶ合併症の患者が対象。安全性を中心に検証し、企業と協力して実用化を目指す。

どちらの疾患も、2年間で最大12人の臨床試験を予定している、炎症を抑える働きのある間葉系幹細胞を、出産時に回収した羊膜から集めて増やし、点滴で患者に投与して安全性及び有効性を検証する計画となっている。出産時に廃棄される羊膜は入手しやすく、羊膜の提供者に特別な負担はない。
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