iPS細胞とSTAP細胞に正しい理解を。

iPS細胞を開発した京都大の山中伸弥教授がSTAP細胞をめぐり、iPS細胞がSTAP細胞よりがん化のリスクが高いといった報道があったことに対して「誤解がある」と述べ、これに反論する見解を示した。下記の新聞報道を元に、簡潔に3つのポイントを列挙する。

1. iPS細胞は、STAP細胞よりがん化のリスクが高い
2. iPS細胞の作製効率は、0.1%で、STAP細胞は30%
3. iPS細胞の作製は、STAP細胞より難しい

1.に関しては、新聞報道などで比較されたデータはiPS細胞の開発初期のものであり、8年を経過した現在は全く違う技術で作製しており、現在の作製方法の安全性は動物実験で確認している。今後、さらに臨床研究で最終確認していく方針。

(2. と3. に関して現在、情報の出所を調査中ですので、しばらくお待ち下さい)

いずれにせよ、iPS細胞と同様に、STAP細胞も今後、安全性などの検証が必要である。また、臓器を移植するのではなく、直接、患者の体内で再生させるなど、iPS細胞にできないことができる可能性もある。今後の研究の進展を期待して見守りたい。

山中教授:「iPS細胞にがん化リスクなど三つ誤解ある」

出所:2014-02-10 毎日新聞

iPS細胞(人工多能性幹細胞)を開発した京都大iPS細胞研究所長の山中伸弥教授は10日、京都市内で記者会見し、理化学研究所などの研究チームによるSTAP細胞(刺激惹起(じゃっき)性多能性獲得細胞)の開発に絡み、「一般の人や報道は、iPS細胞の方ががん化のリスクが高く、作製が難しいなどと三つの誤解をしている」と指摘した。

山中教授が誤解だと指摘したのは▽iPS細胞はSTAP細胞よりがん化のリスクが高い▽iPS細胞の作製効率は0.1%、STAP細胞は30%▽iPS細胞の作製はSTAP細胞より難しい--の3点。

がん化については、マウスのiPS細胞作製を発表した2006年当初は染色体に遺伝子を取り込ませる方法やがん遺伝子を使い、がん化の頻度は高かったが、現在はいずれも使っていないと説明。効率についても、当初は約0.1%だったが、09年に20%に上昇させることに成功したと話し、STAP細胞は、酸に浸した後に生き残った細胞が約30%の確率で多能性を獲得するため、約10%とするのが正しく、このうち増殖する細胞になるのは1~2割程度だと指摘した。作製の難しさは「iPS細胞は世界中の誰でもどこでもできる簡単な技術で、(別の万能細胞の)ES細胞(胚性幹細胞)の培養法などが応用できたため世界中で急速に普及した」と説明。STAP細胞について「ES細胞やiPS細胞との互換性がないと、積み重ねられた研究成果が利用できない」と指摘した。

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