iPS細胞:作製で染色体異常を修復 移植治療応用に期待

iPS細胞:作製で染色体異常を修復 移植治療応用に期待

出所:2014-01-13 毎日新聞

山中伸弥京都大教授が参加する米グラッドストーン研究所(サンフランシスコ)などの研究グループは12日、染色体異常の一種「リング染色体」を持つ患者からiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作製したところ、染色体異常が自己修復されることを発見したと発表した。修復されたiPS細胞から臓器などを作って移植治療に応用したり、新たな染色体治療につながる可能性があるという。13日付の英科学誌「ネイチャー」オンライン版に掲載される。

リング染色体は、一対の染色体のうち1本が環状になるなどの異常で、さまざまな発育不良やがんと関係があることが知られている。研究グループによると、3人の患者から取り出したリング染色体を含む細胞から15株のiPS細胞を作製すると、10株で環状になっている方の染色体が消え、正常な2本の染色体を持つ細胞になることを発見した。

リング染色体が消失する詳細なメカニズムは不明だが、染色体を解析したところ、正常な1本が増幅して2本になっていることが判明した。通常は父と母から1本ずつもらう染色体が、片方の親から2本もらった状態(片親性)で、機能異常のリスクは残るという。グラッドストーン研究所の林洋平研究員(幹細胞生物学)は「iPS細胞作製の過程で染色体が自己修復されるという発見は画期的。今後、このiPS細胞を特定の臓器などへ分化誘導し、安全性を確認したい」としている。

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