アステラスやロートなど再生医療に参入 20年に1900億円市場

最近、公共機関や大学などの研究所だけでなく、徐々に民間企業からの再生医療関連のニュースが増えてきています。高度経済成長期の日本では、ゼネコンやインフラ関連企業が主役だったが、経済が成熟した今後は、例えば、このような再生先端の医療関連企業が主役になっていくのでしょう。iPS細胞の発見のニュースから約10年が経ち、ようやくここまでたどり着きましたが、臨床に向け、今後ますますの研究促進が待たれます。

アステラスやロートなど再生医療に参入 20年に1900億円市場

出所:2013-05-15 日経新聞

国内の製薬業界で様々な細胞に成長するiPS細胞などを使った再生医療への参入が相次ぐ。アステラス製薬は年内をメドにiPS細胞を使った治療法の研究チームを立ち上げる。ロート製薬もベンチャー企業(VB)と組み実用化を狙う。国内の再生医療市場は2020年に12年の7倍の1900億円に拡大する見通し。早期に経営資源を投じ収益の柱に育てる。
iPS細胞を使った再生医療研究への参入は製薬大手でアステラスが初めて。骨髄や脂肪などに微量に含まれる「体性幹細胞」も使う。ヒトの細胞を移植して体の機能を回復させる「細胞治療」に取り組む。大学など外部の研究機関と連携も進める。患者ごとに神経や臓器など細胞組織を培養、移植して治療できる体制を整えたい考えだ。
同社はこれまで分子医学研究所(茨城県つくば市)でiPS細胞を使った薬剤の安全性試験など、新薬開発に向けた技術の一環として研究を進めていた。今後は再生医療の研究も急ぐ。早期参入で特許や技術を蓄積して事業化を狙う。
ロート製薬はバイオベンチャーのシームス(東京・江東)と共同で、ヒトの脂肪から抽出した体性幹細胞の研究を始める。細胞培養技術の研究から始める。今月中に「再生医療研究企画部」を新設し、主力研究所のリサーチビレッジ京都(京都府木津川市)で培養実験を始める。大衆薬メーカーが再生医療へ進出するのは国内では初めて。
脂肪由来の体性幹細胞は、自らの細胞を使うため、移植時の拒絶反応が起きにくいとされる。ロートは化粧品などの開発のため、皮膚病の遺伝子研究などを進めてきた。細胞に関する研究ノウハウをシームスが持つウイルスなどの混入を防ぐ安全性の高い培養技術と組みあわせ医薬品などの開発にもつなげる狙いだ。

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