タカラバイオ、米社にレトロワクチンの商用利用ライセンス供与

科学技術に関するライセンスとは、どのような意味をもつのでしょうか。多くの民間企業や研究機関は再生医療の技術開発に膨大な投資を行っているので、開発された新たな技術に対して多大な資金回収を行わなければなりません。その回収方法の一つがラインセンス供与です。



もし日本で開発されたライセンス技術であれば、そのライセンス技術を供与して海外からライセンス使用料が支払われますが、逆に海外で開発されたライセンス技術に関しては、海外にお金を支払う必要があります。あえて細かい言い方をすると、海外で開発された治療技術を使って日本国内で治療する際に、いちいち海外に技術ライセンス料を支払わないければならないのです。日本は国民皆保険という制度があるので、おそらく高額医療となる再生医療は国民の税金の一部で負担され、海外企業に支払われるでしょう。



日本国民が安価で再生医療を受けられる環境を構築するためには、今回のニュースのように、日本国内の公的研究機関(大学や研究所)や民間企業が一体となって、チカラを合わせて、世界の誰よりも早くライセンス技術を開発し、どんどん海外にライセンス供与することも非常に大切なことなのです。

タカラバイオ、米社にレトロワクチンの商用利用ライセンス供与

出所:2013-06-24 サーチナ

タカラバイオは24日引け後、iPS細胞作製において、同社が開発した組み換えタンパク質のレトロネクチンの商用利用を、米国のセルラーダイナミックス・インターナショナル(CDI)社に認めると発表した。

両社は24日にライセンス契約を締結した。CDI社はレトロネクチンを使用して作製したiPS細胞の販売や、レトロネクチンを用いたiPS細胞の作製受託サービスを行うことが可能になった。レトロネクチンを活用し、iPS細胞由来の心筋細胞や神経細胞の製造販売、疾患特異的iPS細胞作製受託などのビジネスを展開していくという。

タカラバイオはCDI社より、契約一時金を受領する予定だが、14年3月期業績に与える影響は軽微という。今後は保有技術やノウハウのiPS細胞分野への展開を進めていく方針…[続きを読む]。

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