赤血球の元をiPSで増産 従来の20倍

赤血球の元をiPSで増産 従来の20倍

出所:2013-12-06 読売新聞

人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から赤血球の元になる細胞を、従来より約20倍増やす方法を開発したと、京都大iPS細胞研究所の江藤浩之教授らのチームが発表した。論文は6日の米科学誌ステムセル・リポーツ電子版に掲載された。

iPS細胞に試薬を加えて赤血球の元になる細胞を作り、さらに赤血球に変化させる技術はすでに開発されている。しかし、変化させた後の赤血球の数が少なく、数多くの赤血球を得るのに必要な元の細胞を増やす方法もなかった。チームは、iPS細胞を赤血球の元になる細胞に変化させる途中で、増殖を促す働きなどを持つ2種類の遺伝子を組み込んだ。さらに、それらを働かせる別の試薬も加えることで、増殖に成功した。ただ、元の細胞が赤血球へと変化する割合は1%程度で、実用にはまだ遠いという。

iPS細胞から赤血球を作ることが期待されているのは、将来的に献血者が減少し、輸血用赤血球の不足が懸念されるうえ、ウイルスの混入といった危険も避けやすいためだ。

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