iPS細胞を用いた再生医療の課題について

iPS細胞を用いた再生医療は、先日、加齢黄斑変性を治療する臨床研究の実施が世界で初めて了承されたのを皮切りに、臨床研究に向けた動きが一気に加速する様相を呈しているが、新しい技術故の克服すべき課題も多々あることを忘れてはならない。

iPS細胞、再生医療での実用化、造腫瘍性リスクへの対応がポイント

出所:2013-09-02 薬事日報

再生医療の臨床応用を進めて実用化につなげる「再生医療実現拠点ネットワークプログラム」のキックオフシンポジウムが、このほど都内で開かれ、再生医療研究の第一人者らが研究の進捗状況について講演した。パネルディスカッションでは、iPS細胞を用いた場合に生じる造腫瘍性リスクへの対応や、今後の臨床応用の方向性について意見を交わした。

京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥氏は、再生医療で問題とされるiPS細胞の癌化リスクについて、「樹立したiPS細胞の中から最良のクローンを選別する手法は構築されてきており、癌化のリスクは格段に下がっている。さらにリスクを下げるためには、純度の高い目的細胞に分化誘導させる技術が大事になる」と指摘。

代表的な課題が、上記記事でも触れられている腫瘍化リスクであろう。iPS細胞をはじめとする多能性幹細胞は未分化の状態では高い増殖能力を有し、実際に成体内に移植すると、様々な組織が混在した奇形種を形成するのである。この課題を克服するには、高い水準の分化誘導方法に加え、医療基準を満たす細胞分離装置の開発等が必要となるであろう。
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