研究進捗の公開は患者保護のためにも有意義

iPS細胞を用いた加齢黄斑変性の臨床研究を行う理化学研究所が、研究進捗を公開するためのホームページを開設したことを発表した。

iPS細胞を使った目の難病治療の臨床研究、ホームページで研究進捗を随時発表

出所:2013-08-10 IBTimes

目の難病と呼ばれる「加齢黄斑変性」の患者を対象にした、iPS細胞を使った臨床研究に関する特設ウェブサイトが開設された。同サイトを運営するのは、理化学研究所と先端医療振興財団。サイト内には「加齢黄斑変性」の病状や原因、臨床実験の概要、そして参加できる患者の条件や応募方法などが掲載されている。今後研究の情報公開はこのホームページにて行い、情報の内容によっては記者発表を行う場合もあるという。(サイトURL http://www.riken-ibri.jp/AMD/)

この臨床研究は「滲出型加齢黄斑変性」の症状を持つ患者の皮膚細胞からiPS細胞を作り出し、それを「網膜色素上皮細胞(RPE細胞)」に変えてシートを作り、網膜の中心に移植するというもの。これによって視機能の低下を防止するという、新治療法の安全性や効果を確認するために実施される。

 加齢黄斑変性とは、網膜の中心部に存在する「黄斑」の機能が加齢等が原因で低下するという目の難病の一種だ。発症すると視力が維持できなくなったり、色の判別が困難になるなどの症状が現れる。加齢黄斑変性は「滲出型」と「萎縮型」に分類され、「滲出型」は血液中の水がにじみ出てることによって黄斑に障害が生じるというものだ。

 目の難病解決の新たなチャンスとして、大きな期待が寄せられるこの臨床研究。一般公開用のホームページまで開設されたという出来事は、この研究に対する世間の注目度を象徴しているようだ。

山中教授のノーベル賞受賞の影響もあり、iPS細胞をはじめとする再生医療への患者の期待は大きく膨らんでいる。一方で、実用化にはまだ多くの時間がかかることも現実だ。このような形で、研究の進捗が研究者自身によって公開されることで、再生医療で実現されることは何か、それにはどの程度の時間が必要なのかが明らかになることは、患者やその家族にとって大きな意味があるとともに、世にはびこる再生医療を謳い文句とした治療法の真偽や有効性を判断する上でも一つの指標になるであろう。
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