「臨床参加の患者は選定中」iPS細胞で網膜再生に取り組む高橋氏
出所:2013-11-05 マイナビ世界で初めて人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使い、目の難病患者の網膜を再生する臨床研究を進める理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の高橋政代プロジェクトリーダーは5日、神戸市内で開かれた関西プレスクラブの会合に出席し、加齢黄斑変性患者が対象の今回の臨床研究について「再生医療はリハビリとセットで完成する。リハビリも行わなければ、(再生医療自体が)効果がないと思われてしまう」と治療法への理解を求めた。
高橋さんは「ほとんど目の見えない人を少し見えやすくするもの」と今回の臨床研究を説明。患者が手術後、ルーペなどの視覚補助具をつけて読み書きできるようにするなどの眼科のリハビリ「ロービジョンケア」を合わせて行うことで効果が現れると訴えた。また、国内にはリハビリ支援態勢が整っていない地域もあることから、「整わないまま再生医療が広がると、患者が宙に浮いてしまう」と指摘した。8月から募集を始めた臨床研究に参加する患者については、「何百件も問い合わせがあったが、条件に当てはまる人は多くない。一生懸命選んでいるところ」と述べた。