人iPS細胞でアルツハイマー症状改善
出所:2013-05-05聖マリアンナ医科大学の藤原成芳助教らは13日、ヒトの様々な細胞に育つiPS細胞から脳神経細胞をつくり、アルツハイマー病に似た症状を改善する実験にマウスで成功したと発表した。改善の効果をさらに確認し、1~2年後をめどにサルでも効果を確かめ、患者への応用を探る。
アルツハイマー病に似た症状を示すように遺伝子を組み換えたマウスを水槽で泳がせて実験した。症状が重いマウスは水槽中のゴールの位置を記憶できないと想定。脳の海馬にヒトのiPS細胞から作った神経細胞を移植した6匹のマウスのうち2匹が20~40秒後にゴールにたどり着いた。
研究チームは「神経細胞が再生して、脳内で電気信号が伝わりやすくなった可能性がある」とみている。ただ移植しなかったマウスの中にもゴールできたマウスがいたため、実験の症例をさらに増やして確認するほか、神経細胞の作製や移植の条件を変えて調べる。
(日本経済新聞)http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1300Q_T10C12A6CR0000/