再生医療の副作用被害救済…厚労省、制度導入へ
出所:2013-10-08 読売新聞厚生労働省は、細胞シートなど再生医療用に作られた製品を使って治療を受けた患者を対象に、新たな健康被害救済制度を導入する。
政府は成長戦略の柱の一つに再生医療の推進を掲げており、医薬品同様、副作用が起きた場合の救済制度によって患者が安心して治療を受けられるようにする。医薬品医療機器総合機構法改正案の成立を図り、来年度中の導入を目指す。
再生医療では、病気やけがで傷ついた細胞や組織を作り直し、患部に移植する。厚労省は、安全性と効果を十分に確認したうえで承認しているが、予期せぬ副作用や感染被害が起きる恐れもある。iPS細胞(人工多能性幹細胞)の臨床応用が実現した場合、移植部位でがん化する懸念も指摘されている。
医薬品の副作用被害については、厚労省所管の同機構が運用する救済制度があり、製薬企業などからの拠出金を被害者への給付金の財源にしている。しかし、再生医療製品はまだ少なく、被害救済の仕組みはなかった。