政府、再生医療の実用・産業化へ民間保険整備へ
出所:2013-11-27 日刊工業新聞政府はiPS細胞などを用いる再生医療や細胞治療にかかわる民間保険の整備に向けた方策づくりに乗り出す。患者が自由診療として再生医療などを受ける際の高額な医療費を補償する保険や、患者に健康障害が生じて医師または治療用の細胞加工品を作製した事業者が賠償責任を負った場合に補償する保険の商品化に必要な条件を検討。関係者が保険を利用しやすい環境を整えることで、再生医療・細胞治療の実用化・産業化に弾みをつける。
再生医療・細胞治療の産業化に向けて厚生労働省、経済産業省、文部科学省が共同で設置した有識者会議「再生医療等基準検討委員会」に保険専門の作業部会を新設して具体策を練る。12月上旬にも初会合を開く。再生医療・細胞治療では幹細胞など生きた細胞を培養加工して投与するため、品質や効果を均一化しにくく、医師の技量でも効果やリスクが左右される。この特性を踏まえ、どういった場合に保険金支払いが免責されるかを明確にすることで保険各社の参入を促す。患者向けの保険商品では、公的医療保険や民間の先進医療特約が適用されない自由診療や保険外併用療養として行う再生医療などに対し、がん保険のような枠組みをつくるための具体策を練る。