テラは再度5000円を試す局面に期待
出所:2013-10-22 日本インタビュ新聞近年、『がん』は2人に1人が罹患し、3人に1人が死亡するとされ、がんによる死亡者数は年々、増加を辿っている。そこで、がん細胞のみを攻撃し、正常な細胞を傷つけない『樹状細胞ワクチン療法』を展開するテラ <2191> (JQS)をマークしたい。
安倍政権の成長戦略の一つに再生医療を世界に先駆けて早期に実現する計画があり、このために今秋の臨時国会で『再生医療安全性確保法』を成立させる方向で、これが日の目を見れば同社の事業にとって大きな追い風となる。それは、同社が最も得意とする樹状細胞ワクチン療法などのがん免疫細胞療法が第3種再生医療として国から認知されることを意味するからだ。
再生医療の世界市場規模は2012年の3400億円→2020年2兆円→2030年17兆円→2050年53兆円と高成長が予測されている(経済産業省)。樹状細胞ワクチン療法で7000症例という国内最大規模の実績を挙げてきた同社にとって、今秋の法整備(14年10月施行の見通し)は大きなビジネスチャンスの拡大を暗示する。
さらに、今年4月には独立行政法人・理化学研究所認定のバイオベンチャー企業『ヘリオス』(旧日本網膜研究所)に1億円を出資した。ヘリオスといえば、ノーベル医学・生理学賞を受賞した山中伸弥京大教授が開発したiPS細胞を活用した再生医療で世界発の実用化を目指し、遠からず株式公開も検討している要注目企業だ。欧米で成人の失明原因第1位の加齢黄斑変性の治療に役立てる研究を推進しており、ヘリオスへの出資は同社の今後の飛躍の糧となるかもしれない。
最後にチャートを見ると、5月高値4970円から急落したが、6月に一番底1500円、8月に二番底1830円とダブル底をつけ、その後の上昇で7月の戻り高値3200円をクリアしているだけに、明年4~5月にかけて再び5000円を試す局面が期待できよう。