富士フイルム、中国・タイで再生医療
出所:2013-08-13 日経新聞富士フイルムとジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J・TEC)は中国とタイに再生医療技術を輸出する。 患者本人から採取した皮膚で重いやけどを治療する手法を、 海外で皮膚病の治療や美容整形などに応用する。経済産業省から数千万円の補助を得て、2014年中に現地当局に治療の認可を申請する。J・TECは中国とタイで現地の規制や連携先の病院についての調査に近く着手する。 富士フイルムも医療機器の納入や資金調達で連携する。再生医療を海外で展開する動きは日本企業で初めてとなる。
富士フイルムが4割超を出資するJ・TECは国内企業で初めて再生医療を実用化した。 国内のやけど患者の治療実績があり、世界的にも競争力が高い。 患者から採取した皮膚の細胞を培養して使う技術は転用ニーズが高いが、国内の規制では同社の技術による再生医療の対象をやけどに限っているため、海外で再生医療技術を活用する。経産省は13年度、医療機器やサービスの海外展開に約10億円を補助する。 「健康プログラム」で知られるタニタが歩数計を用いて健康管理するサービスをインドに輸出する事業など、15カ国29事業を支援。再生医療などの先端医療から日常の健康管理まで、日本式の医療を丸ごと輸出する動きを後押しする。