山中伸弥氏、iPS細胞備蓄「準備は最終段階に」
出所:2013-08-26 日経新聞京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥所長は26日、都内で講演した。同大学を中心に進める治療用iPS細胞を備蓄する事業について、提供者の選定が最終段階に入っていることを明らかにした。iPS細胞での治療を目指す主な研究者も講演、後遺症が重い脳梗塞の治療も視野に研究を進めていると述べた。
科学技術振興機構が同日開いたシンポジウムで発言した。備蓄事業は、あらかじめ拒絶反応の少ないiPS細胞を準備して培養にかかる期間とコストを圧縮する。拒絶反応の少ないiPS細胞を作製できる人は血液のタイプから全体の数%しかいない。山中所長は「提供者のリクルートも最終段階になっている」と述べ、まもなく最初の提供者が出る見通しだ。
脊髄損傷の治療研究に取り組む慶応義塾大学の岡野栄之教授と、パーキンソン病が専門の京都大学の高橋淳教授も臨床研究に向けた取り組みを紹介し、脳梗塞の治療計画を明らかにした。