経産省、iPS細胞のコスト抑制-分化誘導技術を開発へ
出所:2013-08-27 日刊工業新聞経済産業省はヒトのiPS細胞から目的の組織や臓器の細胞を低コストで効率的に作製する分化誘導技術の開発に2014年度から取り組む。組織・臓器ごとに最適な調整方法を確立し、培地・試薬や培養装置の実用化に5年間で道筋を付ける。現在は海外製の高額な試薬や機器を使うのが主流で、iPS細胞を利用する上でのコスト押し上げ要因となっている。
低コストで精度の高い分化誘導技術を日本独自に開発することでiPS細胞を用いる再生医療の実用化や、創薬研究への応用に弾みを付ける。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ヒト幹細胞実用化に向けた評価基盤技術開発プロジェクト」の一環として、14年度予算の概算要求に必要経費を盛り込む。専門の研究者や培地・試薬・装置メーカーを対象に、公募方式で開発チームを編成。心筋や網膜など目的の細胞へ効率的かつ安定的に分化誘導するための基盤技術を固め、培養ツールの実用化を目指す。