iPS:臨床研究へ着々 再生医療シンポ

iPS:臨床研究へ着々 再生医療シンポ

出所:2013-08-27 毎日新聞

人工多能性幹細胞(iPS細胞)などを利用した再生医療の実現に向け、オールジャパン体制で研究を進める「再生医療実現拠点ネットワーク事業」のシンポジウムが26日、東京都内で開かれた。iPS細胞を開発した山中伸弥・京都大教授ら第一線の研究者がこれまでの成果や進捗(しんちょく)状況を紹介し、会場の一般の参加者ら約1000人が聴き入った。

 神経難病のパーキンソン病の再生医療を研究する高橋淳・京都大教授は講演で、患者自身のiPS細胞から神経の一歩手前の細胞(前駆細胞)を作製し、患者の脳に移植する臨床研究について、「手法はほぼ確立しており、2015年度をめどに開始したい」と話した。岡野栄之・慶応大教授は、iPS細胞から作製した神経前駆細胞を、脊髄(せきずい)損傷直後(2〜4週間後)の患者に移植する臨床研究を4年後に始める準備を進めていることや、体のまひが固定した脊髄損傷についても、細胞移植とリハビリなどを組み合わせた治療法の開発に取り組んでいることを紹介した。

 政府は同ネットワーク事業に10年間で1100億円を投入することを決めており、今年度は補正予算を含め219億円を支出する。

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