iPS製品の材料に「血液」…厚労省解禁へ
出所:2013-11-18 読売新聞厚生労働省は、細胞シートなど再生医療用の製品の材料として、血液を使うことを解禁する。現在は皮膚などを採取して作製しているが、患者の負担が少なく、入手も比較的容易な血液を利用できるようにして、政府の成長戦略の柱の一つである再生医療の推進を図る。血液から作る製品を血液製剤に限っている関連法を改正し、来年秋頃の制度導入を目指している。
再生医療では、けがや病気で失った機能を、加工した細胞などを移植して回復させる。様々な細胞に変化できるiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作る際、材料の細胞を皮膚から採ろうとすれば体を傷つけてしまうが、血液なら注射で済む。血液法を改正し、再生医療製品のメーカーなどが、医療機関で採血した血液を材料にして製品を作れるようにする。例えば、血液からiPS細胞を作り、心臓の病気を治すための細胞シートに変えたり、血液中の造血幹細胞から赤血球や血小板を輸血用に作ったりすることができるようになると期待される。