再生医療、進む中小参入 KRPが商品化支援

再生医療、進む中小参入 KRPが商品化支援

出所:2013-12-31 京都新聞

中小企業の再生医療への新規参入を後押しする組織「サポートプラットフォーム」の取り組みが、さまざまな成果を生み出している。高い技術力を生かした試作品の開発に加え、先月には商品化第1号として培養細胞の汚染を防ぐ容器が発売された。プラットフォームは2009年、京都リサーチパーク(KRP、京都市下京区)によって設立された。現在、全国の約500社が参加、KRPが研究者らの要望をくみ取り、中小企業へ橋渡しする。

商品化第1号の「マイキャニスタ」は、実験装置設計などのデコレ(大阪府吹田市)が、大阪大の紀ノ岡正博教授と開発した。同社が、宇宙での生物飼育容器設計で培った技術を応用。気密性の高い容器とフィルターを組み合わせることで、空気だけ通し、雑菌は遮断できる。デコレによると、再生医療現場で細胞を培養する際、現在は細胞入りのシャーレを手で持ち運び、そのまま培養装置内に入れることが多い。容器を用いることで雑菌の侵入や細胞同士が混ざり合うリスクが低減できる。価格は2万7300円。初年度、国内外で1万個の販売を目指す。

他の中小企業もこれまでに、研究者の要望を受けてiPS(人工多能性幹)細胞から歯やあごの骨を作るのに必要な細胞圧縮培養装置や、医療分野にも応用できる植物種子用の真空ピンセットなどを完成させている。KRPは「これまでの取り組みで、企業には医療分野のニーズに対応できる技術力があると分かった。いいものは完成度を上げ、商品化へ持っていけるようサポートしてきたい」としている。

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