山中教授「iPS治療に期待」京大・英大シンポ
出所:2014-01-10 読売新聞京都大と英ブリストル大の共同シンポジウムが9日、左京区の京大百周年時計台記念館で始まり、山中伸弥教授が基調講演に臨んだ。急速に研究が進むiPS細胞(人工多能性幹細胞)について、山中教授は「医療への応用を実現することがゴールだ」と改めて強調した。
ブリストル大は複数のノーベル賞受賞者を出している英国の名門大。京大は国際的な共同研究活動を展開していくため、2011年に学術交流協定を結び、昨年1月に英国で第1回の共同シンポを開いている。
今年初めての講演となった山中教授は、神戸市の理化学研究所の高橋政代・プロジェクトリーダーらが夏にも第1例の実施を予定している目の難病の治療について、「(移植した細胞ががん化する)リスクはゼロではないが、(眼底検査で)いつでも状態を確認でき、万一異常があればレーザーを当てて取り除ける。iPS細胞を使った治療の第1例としては、非常に適している」と説明。「高橋先生らに期待している」と述べた。