再生医療産業化に向けて増える浮遊培養装置

佐竹化学機械工業は、埼玉医科大学などと共同でiPS細胞の大量培養装置を開発した。細胞培養には大きく、接着培養と浮遊培養の2種類の培養方式があり、接着培養はシャーレ内で単層で培養されるが大量に培養することが難しいとされる。一方、浮遊培養はフラスコなどで培地中で自由に細胞を浮遊させて培養させるため、大量に細胞培養できるというメリットがあるが、効率よく増やされた細胞周辺の気体交換が妨げられないように培地を攪拌することが必要となるため、撹拌による細胞ダメージや細胞塊の大きさのコントロールなどの課題がある。再生医療の産業化には、細胞の量産化が大きな課題であり、カネカ、J-tec、IHI、ニプロ、島津製作所、クラボウなどにより浮遊培養装置の開発が進められている。


 

佐竹化学機械 iPS細胞の分化誘導培養装置 安定的に量産可能

出所:2017-10-01 化学工業日報

佐竹化学機械工業は、再生医療分野における人工多能性幹細胞(iPS細胞)の分化誘導培養装置を開発した。

同社は2年後をめどに、iPS細胞の分化誘導培養装置を製品化し、世界市場に投入するとしている。なお、同社は既に非接着性の細胞系である造血細胞を用いた「往復動撹拌装置を用いた血小板の製造方法」に関する特許を取得しており、今回の製品と同様に撹拌羽根が往復動して培養液を撹拌する方法が採用されている。
 
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