英研究グループ 不妊治療の成功率向上に有効な遺伝子を発見

英フランシス・クリック研究所などの研究グループは、生物の遺伝情報を担うDNA上の特定の遺伝子を切ったり、別の遺伝子を狙った場所に挿入できるゲノム編集と呼ばれる手法で、ヒト受精卵の遺伝子情報を改変してその成長を調べる基礎研究を行ってきた。同研究グループは、2016年2月に英政府の規制機関から実施承認を得、ヒト受精卵の成長に必要な遺伝子を特定し、不妊治療の成功率向上に役立つ知識を得ることを目的としており、倫理的な観点からより深い議論が必要な、疾病の治療行為や遺伝子改変されたヒト胎児を誕生させるものではない。

体外受精卵の遺伝子機能解析=不妊治療改善に期待-英研究所

出所:2017-09-21 時事通信社

人の体外受精卵(胚)について、さまざまな細胞に変わる能力を担う重要な遺伝子「OCT4」を働かないようにしたところ、胚の細胞が増殖して球形の胚盤胞ができる際に内部の細胞群が成長不良となり、つぶれてしまうことが分かった。

本研究では、Oct4と呼ばれる遺伝子を機能しないようにしたところ、細胞群が成長不良となることが分かった。マウスでも同様の実験を行ったところ、胚盤胞の異常や他の遺伝子群への影響がヒトとは異なる結果が得られたことも報告されており、モデルマウスによる体外受精卵の研究は、ヒト体外受精卵を使った研究結果とは異なる結果が出る可能性が示唆されている。
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