J―TEC、再生医療用で適応拡大-培養表皮・軟骨、開発に着手

J―TEC、再生医療用で適応拡大-培養表皮・軟骨、開発に着手

出所:2013-08-14 asahi.com

ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J―TEC)は、再生医療用の培養表皮や培養軟骨の適応拡大に向けた臨床開発に乗り出す。培養表皮「ジェイス」は従来の火傷治療から母斑の治療に、培養軟骨「ジャック」は膝関節の疾患から肘や足首の疾患に対象を広げる計画。再生医療製品の産業化促進を狙った経済産業省の調査研究事業に採択されたのを受け、2013年度中に臨床試験を開始。「条件・期限付き承認制度」の活用を念頭に置いて、数年後の実用化を目指す。

 J―TECの再生医療製品は、患者由来の表皮細胞や軟骨細胞を移植用に培養・加工する。ジェイスは広範囲に及ぶ重度の火傷を負った皮膚の治療、ジャックは膝関節の外傷性軟骨欠損症や離断性骨軟骨炎の治療を目的とする医療機器として、厚生労働省から製造販売承認を得た。日本で承認されている再生医療製品は現時点でこれら2品目しかない。経産省の「再生医療等産業化促進事業」への採択で事業費拠出が決まったのを受け、適応拡大に取り組む。

 ジェイスの適応を目指す母斑は、遺伝などで皮膚に生じる病変。同社はこの間、日本医師会などの臨床研究に協力し、同疾患の治療用にジェイスを提供してきた。今後は同社が主体となり、薬事承認に向けた臨床試験を進める。併せて紫外線から体細胞を守るメラニンを生成するメラニン細胞を含む新型の培養表皮の実証も手がける方針。

 ジャックについては薬事承認申請のため行った臨床試験の中でも、肘の関節への移植を数例手がけた。今後、肘や手首の関節を対象とする臨床試験に本格的に取り組む。

 国からの事業委託費は2億5000万円程度になる見込み。政府が再生医療製品について導入する計画の条件・期限付き承認制度を活用し、早期承認を得たい意向だ。

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