大日本住友製薬の本気度

山中教授は「世界中の難病患者を救う」との思いから、iPS細胞の実用化に向けて製薬各社との共同研究に前向きであり、10年以上も前から交流がある大日本住友製薬との共同研究では、患者数がきわめて少ない難病の治療法に道が開けるのではとの期待も大きい。そもそも山中教授と米国で個人的な付き合いのあった同社の平松隆司ゲノム科学研究所長がきっかけとなり、同社の本格的な再生医療事業は始まった。

iPS細胞の実用化にむけては世界中で開発競争が激しさを増しており、研究開発とともに、特許戦略も重要となる。京大iPS細胞研究所の高須直子・知財契約管理室長も、実は大日本住友製薬の出身。研究部門と知的財産部門の双方を経験した人材で、奈良先端大時代の山中教授と仕事上の交流があったことから、「知財のプロ」として就任を請われたこともあり(引用:産経ニュース(2012年10月23日))、今後益々、本住友製薬の再生医療への舵取りは進むものと思われる。

大日本住友「再生医療世界一を」 iPS活用

出所:2014-01-20 東京新聞

大日本住友製薬の多田正世社長(69)は20日、共同通信とのインタビューで、人工多能性幹細胞(iPS細胞)などを使った再生医療事業について「大きな市場になる。世界で1番を目指す」と述べ、既に開発を決めた目の病気向け以外に対象を広げる方針を示した。

具体的には、アルツハイマー病やパーキンソン病、交通事故による脊髄損傷などを候補に挙げた。「今の薬が効かない患者のために、未知の分野に取り組むことは社会的責務だ」と指摘した。このほか、開発中の新たなタイプの抗がん剤について、国内外合わせ2017年度で800億円とする売上高目標を示した。

再生医療とiPS細胞の医療情報/ニュースサイト「エヌオピ」Copyright© 2018 アクウェスト株式会社. All Rights Reserved.
Top