止血剤:iPS細胞から作製、生産へ
出所:2013-05-02 毎日新聞京都大と東京大の研究グループによるバイオベンチャー企業「メガカリオン」(東京都港区)が、iPS細胞(人工多能性幹細胞)から血液成分の血小板を作製し、外科手術や出産時などに使われる新たな止血剤の生産に乗り出す。iPS細胞から医薬品を大量生産する世界初のケースとなるという。
止血剤は血小板を原料とする血液製剤の一種。現在、血小板の供給は献血に頼っているが、保存期限が約4日しかなく、ウイルス混入による感染症への対策も必要で、安定供給が課題となっている。
同社によると、研究・開発は、東大医科学研究所の中内啓光教授、京大iPS細胞研究所の江藤浩之教授らが主導。既に血小板を作製する技術で特許を取得した。年内にも京大内に開発拠点を置き、早ければ2015年から臨床試験を開始、18年にも日米で販売に乗り出す計画という。
同社の三輪玄二郎社長は「血小板を大量生産することで、安全で安価な止血剤を供給できる。臨床応用に向け、生産技術を確立したい」と話している。